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中国の工作拠点「孔子学院」

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アメリカ国内で、中国の情報工作が浸透しているが、ハイテク、IT技術が盗まれるという産業面や軍事面の問題は今まで指摘されてきた。それゆえ、HuaweiやZTEがアメリカ市場から追い出されることになり、日本やオーストラリアからもシャットアウトされることになってきた。
それ以外の工作として、大学に浸透している孔子学院(Confucius<孔夫子> Institute)が問題となっている。中国政府が出資して私立学校を設立するのは問題ではないが、大学の中に孔子学院を設立してきた。
日本では既に14の大学(早稲田、立命館、桜美林など)にできている。アメリカでも数十カ所にある。ところが、ここがいろいろな意味で中国のアメリカに対する情報工作、スパイ、アカデミアの監視の拠点になってきた。大使館などがスパイ拠点になることはよくあるが、公的機関である大学の中にあることが問題である。
孔子学院では、普通語つまり北京語を教える名目であるが、地方の金のない大学では、外国語学科を作ると孔子学院が無料で講師を派遣してくれる。それで教室を与えて安上がりに語学教育ができるということで飛びついてしまう所もある。
しかし、派遣されるのは中国共産党の公務員である。教える教材は、語学のレベルが上がるにつれて、中国のプロパガンダ色が強くなる。習近平が偉大な政治家であるとか、チベット人やウイグル人は人権が弾圧されているのではなく、大変優遇され、豊かに暮らしているなどと教える。
そんなことに大学の権威が利用されて良いのだろうか。
ハーバード、イェール大学などは、私立大学であるが、政府の補助金も受けているので、公的な存在でもある。そういうものを利用して中国共産党の政治宣伝をさせていることになる。
孔子学院を単位に組み込んでいる大学では、講師の言うことを聞かない、つまりプロパガンダの内容を否定すると単位を与えてくれない。それでは、言論、学問の自由がなくなる。
また、入ってきた講師たちは当然に工作員、スパイである。同じ大学で中国の人権弾圧を指摘する講師がいると、その人が大学にいられないような雰囲気を造成する。逆に、そういう講師が多ければ、孔子学院を引き上げると言って脅すこともありうる。大学側としてはプログラムに組み込まれてものがなくなっては困ってしまう。そのような無言の圧力もかかってくる。
アメリカの大学では、孔子学院によって学問の自由が失われることを憂慮して追い出す動きが出てきている。
「盗まれる大学<原題:Spy Schools>:中国スパイと機密漏洩」(ダニエル・ゴールデン著)によれば、世界で525カ所に孔子学院が設置され、南北アメリカで161、ヨーロッパで173、アジアで118、アフリカで54あり、さらに小規模の孔子教室は、79カ国で1113カ所に設置されている。
最近、フロリダ出身のマルコ・ルビオ上院議員は、反共産主義の信念の強い人で、地元のフロリダの大学で2校、孔子学院を廃止に追い込んだ。

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